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写真うつりが悪い自分がイヤ
私は自分が思った以上に不細工に写ってしまう写真が嫌いです。
私の家には私が小さい頃から記録として残してある写真のアルバムがたくさんあります。
自分で言うのもあれですが、幼稚園までの私はどの写真を見ても結構可愛い子供だと思ってます。
昔から写真を撮られることには抵抗なく成長を重ねていくごとにどれもピースサインをして満面の笑み。
時代が時代なのかもしれませんが、この時のカメラは全てインスタントカメラでした。
想像している自分と違う私
しかし中学校を卒業して高校の受験シーズンの頃、試験も終わり受験番号が掲示されて高校受験合格した日。
塾の先生にインスタントカメラで撮ってもらえた写真を見ると顔がパンパン。
まるでゴリラの様な私の顔が写っていました。
その日から自分の写真写りの悪さにショックを受け、その写真は誰にも見せることなくお蔵入りしました
自分がこんなにも不細工だったなんて、鏡を見ているだけではそこまで不細工じゃないと思っていたのに…写真という紙切れに私を写し出すと別人に。
このまま高校に上がってしまうときっと、ゴリラというあだ名がついて毎日バナナをなげつけられてしまい、いじめられてしまうかもしれないとも悩みました。
オーバーに聞こえるかもしれませんが、当時は本当に悩んでいたのです。
写真の中の自分と現実の自分
あの受験写真のショックを受けてからいっきに人目を気にする、大人しいタイプになってしまいました。
それまでの私はとても活発で男子とよく遊んでる明るい女の子でしたが、もうその面影はありません。
改めてアルバムを見返すとイベントがある度に、不細工に写る自分の写真が増えていっていました。
増えていく写真と反比例して自信は減っていきカメラ目線の写真もあまりありません。
毎日家に帰っては鏡とにらめっこです。
この不細工さは、一重だからなのか、一重瞼が重いからなのか…?
気にしはじめると、周りの女の子が可愛く見えるようになり、私はそもそもが不細工だったんだと思うようになりました。
世界三大不細工があるならきっと君臨している、写真写りが悪いのはカメラのせいではなかったのです。
写真うつりを気にしない、可愛さを手に入れる!
高校生活が始まる次期が近づいてくると共に、私の中にある闘志が芽生えました。
「高校デビューするぞ!!」
写真うつりが怖くない!第一次イメチェン期
姉から高校生は初日が大事という事を聞いたので、早速姉と買い物に行きました。
女子高生らしい文房具をそろえたり、髪も少し染めたりと自分なりに持っている高校生のイメージに近づくよう努力しました。
高校生活初日、クラスで自己紹介をすることになりました。
なめられちゃだめだと思い、思いっきり笑顔で元気よく自己紹介、無事一つ目の難関を突破しました。
友達もでき、「よし、私、不細工じゃないかも?」と思えるくらいの楽しい生活でした。
高校生にもなると携帯を持つようになるので、カメラ機能を使って写真をたくさん撮る機会が増えました。
あんなに苦手だった写真でしたが、髪の毛や服装の外見を変えたという事もあって抵抗感はなくなっていました。
今まで撮っていたインスタントカメラとは変わり、携帯での写真写りは思ったよりひどくなく、むしろこれが私だと再確認できるようになりました。
しかし高校生活でのイベントでも写真屋さんが来て撮影するその写真に写る私はやっぱり不細工なんです。
プロの写真屋さんが撮った写真はまぎれもなくこれがお前だと言ってるような、覆せない事実を突き付けられた感じがしました。
目元を変えるぞ!第二次イメチェン期
私にも可愛くなりたいという乙女心があります。
カメラマンさんによる撮影で、また自信を無くしてからこのままでは青春を謳歌できないと思い、生まれて初めてのメイクをすることにしました。
生まれてからずっと一重だったので二重になるようにアイプチを使い、その上からアイシャドーを塗るようにして少し違和感のある二重が出来上がりました
二重ってこんなにも外見が変わるんだと、アイプチをしていない時の自分がイヤになるほどでした。
それでも段々とアイプチにも慣れて自信がつき、自分から写真を撮ろうと言えるようになってきました。
写真革命!プリクラ現る
高校生と言えば、プリクラ!どんなカメラよりも可愛く映るその機械に私はハマりました。
毎日友達と学校帰りにプリクラを撮りに行って集める日々です。
かつてのインスタントカメラでの私のことは忘れ、完全に自分は可愛いと思い込んでしまっていました。
この頃になると自撮りもするようになり、いかに可愛くとれるかも研究して詐欺自撮りできるようにもなっていました。インスタントカメラは時代と共に消えていったのです。
写真技術の向上でうつりが怖くない現代
ックスから解放され、日々進化を遂げていくプリクラ機とスマートフォンのカメラアプリ。
私がコンプレックスから解放されたのはこの技術の発展だ…なんて思うほど感謝していました。
自撮りも日々の記録として写すようになり、写真データのサイズが他のデータよりも多くなっているほどでした。
かつての私では信じられないことです。
そして高校を卒業する頃には体形も顔だちも女性らしくなっていき、痩せた効果もあってか目元も自然とぱっちりするようになりました。
自分でも「キレイになったかも?」と思っていたのですが、外見の変化は結構なものだったそうで、当時の小学中学の同級生には街ですれ違っても気が付かれない程でした。
恋人もできて自惚れることが重なり私の中で大分天狗になっていた時期です。
インスタントカメラの再来
実していました。
しかし来てしまったのです。
流行は繰り返すというのは本当のこと…
インスタントカメラが再び流行し始めたのです。
インスタントカメラに類似した商品も出ていて私はショックを受けた当時の事を一気に思い出してしまったのです。
デジタルカメラからアナログカメラになるなんて…。
昔の流行は少し現代風になって流行するというのが基本だと思ってたのですが、インスタントカメラはそのまま昔の形で流行しやがったのです。
そう、なんの進化もしてない!
そうすると、何が起こるのか?
デジタル加工が出来ないということです。
私はスマートフォンのカメラアプリを使わなければ多少不細工に写ってしまう顔。
どんなに垢ぬけてメイクしてもやっぱりベースは写真写りが悪いのです。
デフォルトのカメラ機能で私を写そうとする人がいようものなら殺気を送ります。
今の恋人はすっぴんも見られてる仲なので問題ないですが、またインスタントカメラがすたれていくのを気長に待って、私はカメラアプリで過ごしていこうと思います。
インスタントカメラのいいところは何も飾らずにその瞬間を記録できるところ。
私も本来はインスタントカメラが好きなのです。なのでインスタントカメラを批判していません。
ただただ、写真写りが悪い私がインスタントカメラとの相性が合わないのです。
この流行に乗ろうとしたときにはまた別のものが流行していると思いますが、写真に思い出を残していくことって素敵ですよね。
私もインスタントカメラの出来事がなければ自分をキレイにする努力をしてなかったと思います、あの頃よりは綺麗に写ることが出来ると思ってこの流行に乗ろうと思います。
by 松田久子
記事公開日 2017/05/19
最終更新日 2017/05/19