子どもがデキない。と悩んでいた先に発覚した子宮内膜症。
でも、手術で子宮がキレイになっても、夫の精子も全く問題ないと分かっても、妊娠デキない。
きちんと卵子も育って、お医者さんに「排卵ですよ!」と言われて頑張っても、やっぱり妊娠デキない。
義務的なセックスに、夫の身体が拒否反応を起こして…
とうとう「不妊治療はやめよう」と決意した私。
前回の続きをお話していきます。
前回の記事はこちら
29歳から34歳まで抱えた不妊コンプレックスの話(その1)
あの夜、何事もなかったかのように過ごすふたり
私が寝室で一人泣き叫んだ夜。
夫はリビングで何を思い、どう過ごしていたのか分かりません。
朝起きると、どこかお互い不自然ながらも、
極力いつものように接しようとしているふたりがいました。
もしかしたら、このことがきっかけで離婚まで発展する夫婦もいるかもしれません。
でも、私たちはそれには触れず、言葉に出さないお互いの心を探っている感じでした。
本当は
「男はただその日に出すだけじゃないか!」
「これまでどれだけの思いをして病院へ通っていたと思うの!」
「なんでそんなに心が弱いのよ!」と夫にぶちまけたかった私。
でも、言えなかった。
やっぱり私の子宮がポンコツでデキないんだ…と、責任を感じていたからです。
はたから見ると、今までと何も変わらず上手くいっている夫婦に見えていたと思いますが、
ののしりあうこともなければ、修復するために歩み寄ることもない。
その時期は完全に「不仲」でした。
家の購入を決めてから、少しずつ元の私たちに
それから3ヶ月以上経った頃、急に夫が「家を買おう」と言い出しました。
もちろん、夫婦仲はずっと平行線。
会話はそれなりにありましたが、わだかまりは消えないままで、
夜一緒の部屋に寝ていても夫婦生活は一切ありませんでした。
そんな中での今回の話。
「今の環境を変えて、夫婦ふたりで人生を歩む覚悟を持たないか?」
という夫の真意が分かって、私もやっと気持ちに整理がつき始めました。
それからは、土地探しに、ハウスメーカーの見学に、担当者との打ち合わせに、諸々の準備で大忙し。
「将来のお子様の部屋はどちらに…」、
「お子様のことを考えるとこちらの方が…」と先々で言われることもあり、
(「子どもを作る予定がないので」とはっきり言うと納得してもらえました)
不妊コンプレックスから完全に解放されたわけではありませんでした。
でも、実際に着工されると、
カーテンや家具の下見に出かけたり、壁紙や床材を選んだり、少しずつ完成する家を見に行ったり…。
毎日に『変化』があることで、気持ちはぐんと前向きになっていたし、
夫婦の会話も確実に増えていました。
「もう一回だけ、頑張ってもらえないか?」
家購入の時と同様、夫に不妊治療の再開を相談されたのも突然でした。
新居での暮らしも落ち着き、
私は妊活のことをもう考えないように、気持ちにきっちり蓋をしていたので、
「いやいや、もう勘弁…」という気持ちが正直なところでした。
話を聞くと、たまたま会社の同期と飲む機会があり、
そこで子どものことについて聞かれたので一通りの経緯を初めて他人に話したらしく…。
同期である彼の奥さんは、一人目を人工授精で妊娠・出産。
今、二人目もなかなかデキないのでまた人工授精を考えている最中と教えてくれたそう。
そして、「もったいない!そこまで奥さんに頑張ってもらってて」、
「人工授精まで視野に入れてみた方が絶対後悔しないから、すぐ奥さんに相談してみろよ」と
何度も何度も念押しされたとのことでした。
本当は人工授精も試してみたかった
実は不妊治療を始めた当初、
ゆくゆくは人工授精までは試してみたいという話を夫にはしていました。
でも、夫は「昔なら生まれて来られなかった命。摂理に反してまで授かろうとしていいのか」と
いう思いが拭えないようで、
高度の不妊治療へステップアップするのはその時から私は諦めていたのです。
「人工授精してもいいなら、もっと若い時の方が確率も上がったのに!」と強めに言うと、
夫はしばらく黙っていました。
そして、「身近にいる同性からこの話を聞いてなかったら、たぶん気持ちは変わらなかった。
なかなか、男はそんな話しないからね。
でも、今まだ間に合うかもしれないこの時期に経験者から背中押されて、
自分もやっぱり子どもがほしいと思ったんだよね」と。
気持ちにしっかり蓋をしていたはずの私でしたが、
心の片隅には「人工授精まででダメだったらもっとキッパリ諦めがついたのに」という気持ちが常にありました。
そんなことがあり、私はもう一回、今度は高度の不妊治療を頑張ってみる決意をしました。
でも、始めるのは2ヶ月後。
翌々月に友達の結婚式があり、ブーケを作ってプレゼントする約束をしていたので、
病院へはそれが終わってから行き始めることにしたのです。
予定を調整しながら不定期で病院に通わなければいけないしんどさを充分味わってきたので、
すぐに動かなかったのは、
ここに来てようやく人工授精に踏み切ってくれた夫へのささやかな抵抗でもありました。
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