教えるのが苦手な私は、人から教えられることの方が楽だと思い込んでいました。そして得るものが多く、人に気を遣わなくてもよいと考えていたのです。
人を教えるには能力だけではなく、様々なものが必要だと思うとそれができない自分にコンプレックスを持っていました。教えるのが上手な人を見ると、とても羨ましいと感じていたのです。
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社内にて後輩を教えることに
IT企業に勤めていた私は、上司から「後輩の男性3名を教えるように」という指示を受けました。入社5年目のことです。
新しいソフトやシステムについて教えていかなければいけないことになり、教えるのが苦手な私にはこれはとても辛いと感じたのです。できればそのまま逃げてしまいたい…と思うぐらいに悩みました。
とにかく褒めようとした私
相手を褒めるようにすれば、それで理解してくれるだろうと思い、私はとにかく褒めることに徹しました。
把握できていると感じた時には「さすがA君!その調子で頑張ってね」のように伝えていたのです。
でも褒め続けているだけで、本当によいのだろうかという疑問を持っていました。なぜなら彼らが本当の意味で、習得できているとは思えなかったからです。
それぞれの性格を理解することから始めてみよう
A君は穏やかで優しいけれど、優柔不断なところがある。B君は真面目だけどプライドがとても高い。C君は努力家だけど覚えるのが遅い。などのように、彼らの長所と短所について私は手帳に書いていくようにしました。
もし後から彼らが見たら怒っていたかもしれない内容です。でも私が彼らを理解するために必要なことだと、私は信じるようにしました。
厳しくするのも必要?
褒めるしかできない教え方の私でしたが、ある時A君が以前私の教えた内容を忘れたと、照れながら話してきました。
私はこれに対して「仕方がないかな」と思いながらも、厳しく「きちんとメモをして、覚えていかなければ先に進めないわよ」「ステップを踏んでいくことで、成長ができるの」と言いました。
A君は驚いていましたが「はい!すみませんでした」と頭を下げました。その後私は三人の性格や人柄に合う教え方を考えながら、学んでもらうように努力をしたのです。
彼らはきちんと習得をして、ソフトやシステムを使いこなせるようになりました。
教えるのが苦手でも工夫次第でなんとかなる!
努力をしていくうえで分かったのは、教えることにより学ぶものは大きく私自身も成長できるということ。
これが分かったので、教えるのが苦手ではなく生きがいのように思えてきました。感謝されるために教えるのではなく、ただ与えることに喜びを感じるようになってきたのです。
そうすると、段々と教えるというのは楽しいものかもしれないと思えるようになりました。上司からその後も「教えるのが向いているから、新入社員を教えていきなさい」と言われました。
教えるのが苦手な私でも、少しの工夫や努力でコンプレックスを克服できたのです。
by 美月
記事公開日 2020/02/21
最終更新日 2020/02/21